四十路、頑張る

先週、会社の若い男子を近くの営業所まで
車で送るという用事を命じられまして
四十路、大いに慌てる。
もう、狭い空間に男子と二人きりですよ(40歳…)
特に異性には今まで拒絶され、舌打ちされ、笑われてきた
人間としては、苦行以外何ものでもないわけです。
思い込みもあるかもしれませんが、特に男の人は恐怖であり
中年になっても舌打ちされたら落ち込み半端ない。
しかも、相手は隣の席余り座ってなかった男子。
15歳近く年下とか、普通に人と喋れんのに
どうすれば良いんだと断りたくなる。
上司に私が送るといわれて、若者、嫌そうな顔をしたような。
が、私ももう40歳。
精神的におかしい時期だったら「ちょっと、私駄目なんで」
とか訳分からない断りを入れていた。
でも「うへへ、いいっすよ」と快諾(?)
私も良い(略


たった10分ほどだけど、やはり狭い空間に身内以外と
乗るにはかなりの覚悟が。
もう乗る前から心臓がぎゅっと痛い。
息が臭かったら失礼だから飴を舐める。
加齢臭が気になる。
隣に若者がいて、うひゃーとなる。
精神状態が落ち着かず、冗談抜きで事故りそうで怖い。
意を決して、運転。案の定静けさが漂う車中。
別に静かのままでも良いんだろう。
相手も私に一言も話しかてこないし。
でも、若者は他の人とは楽しそうに話をしている分、
そんなに自分に興味がないかと凄く悲しい気分に。
私だって普通に人と話したい。
と言う事で、ほぼ皆無なコミュニュケーション力を寄せ集め
会話を始める四十路。
今までずっと年上ばかりと話していたので
不慣れなタメ口が異様にぎこちない。
「仕事慣れた?」
「いや」
「何か憶えるの大変だよねー」
「そうっすね」
「●●さんて釣り好きなんだよね」
「へー」
「釣りするの?」
「いや」
「スポーツとか?」
「いや、高校までしか」
「へー…」
暫し無言。
「しゅ、趣味はあるのかな?」
「ないっす」
「…」
「…」
無言。そのまま目的地に。


私、頑張った…